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全身症状

ショック 科学的、物理的、精神的刺激により神経系が激しく興奮したり、機能が低下することによって全身の血液循環が片寄った状態になる為に発生する。骨折時に発生するものと以後の粗暴な取り扱い等により発生するものがある。全身症状が悪化し著明な虚脱症状を呈する時には合併症(脳震盪、肺脂肪塞栓、腹腔・骨盤内臓器損傷、大血管損傷など)を疑う。

 ・種類
 出血性ショック 血管のどこかに大きな穴があいてしまい、そこから大量の血液が漏れ出して、心臓を動かすのに必要な体液が不足してしまった状態。放置すれば心臓は空打ち状態となり、止まってしまい、死亡する。
②アナフィラキシーショック 何らかの外因により、身体が急激なアレルギー状態になって、全身の血管が機能不全になり、心臓にまともに血液が帰ってこなくなってしまった状態。蜂に刺されて死亡した人などの死因がこれである。
③心原性ショック 外傷などで心臓の周りに血液が貯まる(”心タンポナーデ”という)と心臓がその圧力のため動けなくなる、あるいは、心筋梗塞などで心臓そのものが動けなくなること。最近時々話題になる心臓震盪(心臓に野球ボールなどがぶつかり致死性不整脈が出て死亡すること)なども、このショックに含まれる。
④神経原性ショック 神経が麻痺して、血管が機能を失い拡張状態が続いてしまうこと。腰椎麻酔の際に下半身の神経麻痺により、血管が拡張して血圧が低下するのが典型例。基本的に命にかかわることは少ない。
⑤敗血症ショック 細菌の出す毒素により、やはり血管が機能を失ってしまい、心臓に帰る血液が不足する状態。内科的疾患から起こることが多いが、外傷の場合でも、時間がある程度以上経過した場合、起こることはある。言い換えれば、外傷を受けた直後にこの病態になることはない。
骨折の場合のショックとは①の出血性ショックである。単純骨折の場合、心停止するほどの内出血は考えられないが骨折端による腹腔内臓器や胸腔内臓器を損傷した場合や大動脈を損傷した場合は重篤となる。極度の疼痛により④の神経原性ショックも考えられる。
 ・症状 顔面蒼白、口唇チアノーゼ、手足は冷たく全身冷汗、脈拍が小さく早くなり、時には触れなくなる。血圧低下、目がうつろ、生あくび、気分が悪くなり、意識がもうろうとなり最後に昏睡に陥る。
 ・救急処置 頭を低くし、足を高くして背臥位(ショック体位)、衣服の胸腹部を開きゆったりさせる。安静が重要、乱暴な取り扱いや動揺は厳禁である。寒冷にさらすと悪化する為、毛布等で包み特に手足の保温(加温ではない)をし元気づける。山林等、医療機関まで搬送にかなりの時間がかかる場合、激痛と内出血、精神的要素により四肢の単純骨折でもショック症状が現れるので搬送には十分注意する。
 
発熱(吸収熱) 骨折数時間後に37℃~38℃の発熱。骨折血腫やその他の組織の分解物の吸収の為に発生する吸収熱で数日で平熱に戻る。
幼小児の骨折の際には若干の発熱があることを十分に説明し理解をしてもらい治療を行う必要がある。