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TOP > 怪我・外傷[各論] >  骨折の症状

骨折の症状

 骨損傷には種々の組織損傷を伴う。症状は局所症状、全身症状に分類しさらに局所症状は一般外傷症状と骨折固有症状に分類される。

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局所症状

一般外傷症状 骨損傷にも他組織損傷にもみられる症状。

 ① 疼痛(とうつう)

 ② 腫脹(しゅちょう)

 ③ 機能障害

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疼痛

自発痛 骨損傷に特有なものではない。動かさなくても痛み発生。骨折部を固定、安静で軽減される。

直達性局所痛(限局性圧痛)骨折部に限局して強い圧痛がある。Malgaigneの圧痛。

介達痛 骨折部から離れた部位の刺激で骨折部に疼痛が発生。

 ・軸圧痛 骨折した骨の軸方向に離れたところから圧を加えると骨折部に現れる疼痛。

 ・叩打痛 骨折した骨の軸方向に離れたところから叩打を加えると骨折部に現れる疼痛。

・圧迫痛 肋骨骨折などで骨折部から離れたところから胸郭を圧迫した時に現れる疼痛。

 ・牽引痛 軸圧痛とは反対に骨折した骨の長軸末梢方向に牽引した時に現れる疼痛。

 ・動揺痛 骨折部を動揺させることによって現れる疼痛。

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腫脹

 はれること。打撲、捻挫等でも現れるが、骨折の際には骨髄、骨質、骨膜、周囲軟部組織の出血により骨折血腫を形成する。出血が皮下に及ぶと皮下出血斑を生じ、関節控に及ぶと関節血腫を形成する。脱臼や捻挫に比し血腫形成が早い。

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機能障害

 患部付近の筋が一時的に鈍麻状態になったり、骨折部の動揺による激痛の為、患者自身が動きを制限したり荷重が不能等、骨は指示機関としての機能を失う。

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固有症状

 骨折時に現れる症状。

① 異常可動性

② 軋轢音(あつれきおん)

③ 転位・変形

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異常可動性

 完全骨折で著明に現れる。骨折した骨を動かすと関節以外で骨が動く。臨床では末梢骨片と中枢骨片の力の伝達を触診する。不全骨折、圧迫骨折、噛合骨折、関節付近の骨折では証明しにくい。

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軋轢音(あつれきおん)

 異常運動の際に骨折端が互いに触れ合って出す音(耳で聞こえる音ではなく、触診により感じる音)。異常可動性の無い骨折、骨折端が離開している骨折、騎乗骨折、骨折端間に軟部組織が介在する場合は証明しにくい。

注:軟部組織の介在は骨癒合の障害となる。

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転位・変形

 骨折端が互いにずれたり曲がったりする。ずれて位置が変わったことを転位と言い、転位によって外見の変形が現れる。

発生機序による分類
一次性転位 骨折を起こした力が骨折端を移動させたもの。
二次性転位 後の力によって骨折端を移動させたもの
・外力 患者運搬時、包帯交換時等不注意な外力。
・筋の牽引力 筋付着部付近での骨折など筋に引っ張られて延長転位を生じる。
・患肢の重量 患肢の重みで末梢骨片が引っ張られ転位する。
形状による分類
側方転位 骨長軸より側方に移動したもの。
屈曲転位 骨長軸上一定の角度をもって移動したもの。
捻転転位 骨長軸上で一定の回旋を生じたもの。
延長転位 骨長軸上で離解し長さが増加するもの。
短縮転位 骨長軸上で短縮し長さが減少するもの。

 完全骨折の際は何種類かの転位が複合する。

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全身症状

ショック 科学的、物理的、精神的刺激により神経系が激しく興奮したり、機能が低下することによって全身の血液循環が片寄った状態になる為に発生する。骨折時に発生するものと以後の粗暴な取り扱い等により発生するものがある。全身症状が悪化し著明な虚脱症状を呈する時には合併症(脳震盪、肺脂肪塞栓、腹腔・骨盤内臓器損傷、大血管損傷など)を疑う。

 ・種類
 出血性ショック 血管のどこかに大きな穴があいてしまい、そこから大量の血液が漏れ出して、心臓を動かすのに必要な体液が不足してしまった状態。放置すれば心臓は空打ち状態となり、止まってしまい、死亡する。
②アナフィラキシーショック 何らかの外因により、身体が急激なアレルギー状態になって、全身の血管が機能不全になり、心臓にまともに血液が帰ってこなくなってしまった状態。蜂に刺されて死亡した人などの死因がこれである。
③心原性ショック 外傷などで心臓の周りに血液が貯まる(”心タンポナーデ”という)と心臓がその圧力のため動けなくなる、あるいは、心筋梗塞などで心臓そのものが動けなくなること。最近時々話題になる心臓震盪(心臓に野球ボールなどがぶつかり致死性不整脈が出て死亡すること)なども、このショックに含まれる。
④神経原性ショック 神経が麻痺して、血管が機能を失い拡張状態が続いてしまうこと。腰椎麻酔の際に下半身の神経麻痺により、血管が拡張して血圧が低下するのが典型例。基本的に命にかかわることは少ない。
⑤敗血症ショック 細菌の出す毒素により、やはり血管が機能を失ってしまい、心臓に帰る血液が不足する状態。内科的疾患から起こることが多いが、外傷の場合でも、時間がある程度以上経過した場合、起こることはある。言い換えれば、外傷を受けた直後にこの病態になることはない。
骨折の場合のショックとは①の出血性ショックである。単純骨折の場合、心停止するほどの内出血は考えられないが骨折端による腹腔内臓器や胸腔内臓器を損傷した場合や大動脈を損傷した場合は重篤となる。極度の疼痛により④の神経原性ショックも考えられる。
 ・症状 顔面蒼白、口唇チアノーゼ、手足は冷たく全身冷汗、脈拍が小さく早くなり、時には触れなくなる。血圧低下、目がうつろ、生あくび、気分が悪くなり、意識がもうろうとなり最後に昏睡に陥る。
 ・救急処置 頭を低くし、足を高くして背臥位(ショック体位)、衣服の胸腹部を開きゆったりさせる。安静が重要、乱暴な取り扱いや動揺は厳禁である。寒冷にさらすと悪化する為、毛布等で包み特に手足の保温(加温ではない)をし元気づける。山林等、医療機関まで搬送にかなりの時間がかかる場合、激痛と内出血、精神的要素により四肢の単純骨折でもショック症状が現れるので搬送には十分注意する。
 
発熱(吸収熱) 骨折数時間後に37℃~38℃の発熱。骨折血腫やその他の組織の分解物の吸収の為に発生する吸収熱で数日で平熱に戻る。
幼小児の骨折の際には若干の発熱があることを十分に説明し理解をしてもらい治療を行う必要がある。

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