有痛性分離膝蓋骨

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有痛性分離膝蓋骨

2021年6月 1日(火曜日) テーマ:スポーツ傷害各論

  膝蓋骨(膝の皿)は通常1個の骨化核から形成されるが、2個以上の骨化核を有し骨形成が妨げられ2個または数個に分離した膝蓋骨(分離膝蓋骨)を認める場合がある。通常、症状もなく治療の必要はないが、過度のスポーツ活動で分裂部に牽引力が反復し疼痛を発生することがある。スポーツ活動を続けている10歳代の男女に多く走行やジャンプ時に膝前面に疼痛を訴える。外側広筋腱付着部である外上方(SaupeⅢ型)が最も多い。次いで外側端(SaupeⅡ型)に多くみられる。分裂部に一致して著明な圧痛と叩打痛を認める。スポーツ傷害ではないがスポーツ現場で遭遇することが多い。

 

応急処置

  アイシングと大腿四頭筋の軽擦法。

 

競技復帰

  ジャンプ、ダッシュなどの活動制限を行い大腿四頭筋のストレッチ、練習後のアイシング、スポーツ用サポーターの装着で徐々に負荷をかけるようにする。疼痛が強い場合は練習を一時中止し、基本的には保存療法を原則とするがスポーツ活動が長期に制限される場合は観血療法も検討する。

予防

分離膝蓋骨自体を予防することはできない。疼痛の発生を防止することにある。まず、膝の痛みが分離膝蓋骨が原因かどうか診断すること。専門医である整形外科にてX-P検査で診断できる。整骨院での確定診断はできない。他の傷害と圧痛点を確認すれば鑑別できるが、初期ではジャンパーズニーと同部位にも圧痛点を認めることが多い為、初めから疑って触診する必要がある。

分離部の異常可動性が痛み発生の原因となる為、分離部への牽引力を軽減するテーピングや膝蓋骨用サポーター(膝蓋骨の動揺を抑える)の装着、大腿四頭筋のストレッチとハムストリングの強化を行う。



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